統合失調症患者の徒然日誌

毒にも薬にもならぬ文字を書き捨てる。

一年

××様

お久しぶりですね。
あなたの訃報を知った日から、一年くらいが経ちました。
一年間、色々とありました。

横浜に引っ越したり、父が末期がんになって闘病を始め、また埼玉に引っ越したり。

父の件については今月頭にひと段落しました。
父はなんとか生き延びて、今は毎日モリモリと飯を食べて、一日10キロ位自転車で運動しています。

あなたのお墓には未だにお参りできていません。ご家族から教えてもらえないのです、行けなくてごめんね。

あなたが僕に「殺してよ。」と頼んだ時の、あの首に回した手の平の感触はまだ忘れられそうにないです。

最近はあなたの声がどんなものだったか、記憶がおぼろげで、何とか思い出したい一心で、二人で入った飲食店とかに行ってみたりしてます。

ああ、これ美味しかったなあって思いつつ、でもそれを食べていた時のあなたがどんな表情だったか、その記憶もあいまいです。

とても、とても、申し訳なく感じてしまいます。

思い出が堆積物のように、古い層になっていくのです。

いつかこの記憶の地層を掘り下げても、あなたの思い出にたどり着くことが出来なくなる時が来るのでしょうね。

あなたが逝ってしまったこと、今でもショックです。

最初のショックから立ち直るのに、何か月もかかりました。
一年たってもショックなのは変わりないです。

話はちょっと逸れるけれど、この一年の間に、もう一人逝ってしまった人もいます。
他に友人で逝きそうになって、現在入院している人が一人います。

幾人かの親戚や、あなた方の悲惨な死の経験をいくら重ねていても、やはりこういうものには慣れる事は出来そうにないです。

あの時、あなたを、あんたを、本来の望み通りにちゃんと怒ることが出来ていたら。

こんな過ちは起こらずに済んだかもしれない。
それだけが本当に心残りです。

だけどもう起きた事実は変えようがないし、前なのか後ろなのかは分かりませんが、どこかを向いて僕は進んでいかなければなりません。

お互いとても苦労していたのも知っている仲です。
だから今後も見守っていてくれとか、そんな陳腐なことも言いません。

僕は僕でやるべきことをこなしていきます。

ではこれにて、起こしてごめんね、おやすみなさい。またね。